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補聴器の助成金はいくら?申請から受け取りまでの流れを母の話から調べてみた

補聴器の助成金はいくら?申請から受け取りまでの流れを母の話から調べてみた

実家に帰るたびに、テレビの音量がどんどん大きくなっていくのが気になっていました。「こんなに大きくしないと聞こえないの?」と心配になり、思い切って「補聴器を作ってみたら?」と提案したところ、母も前向きに考えてくれて、自治体の助成金制度を使って補聴器を購入することになりました。

ただ、実際にどんな流れで進んだのか、私自身はあまり詳しく把握していませんでした。せっかくなので、(1)補聴器と集音器の違い、(2)申請から受け取りまでの流れ、(3)自治体によって助成額がどれくらい違うのか、(4)申請するときに気をつけたいポイントを調べてまとめてみました。

きっかけは、テレビの音量でした

高齢者向けの補聴器購入費助成は、多くの市区町村にある制度ですが、正直なところ、私自身よく知りませんでした。母に提案したのをきっかけに、一般的にどんな流れで進むのか、金額はどれくらいなのかを調べてみることにしました。

最初は私も、電気屋さんで売っている「集音器」ならすぐ買えるかもしれないと思い、見に行ったことがありました。ただ、今回は結果的に、自治体の助成を使って正式な補聴器を作ることにしました。この集音器と補聴器の違いは、あとで調べて分かったことがあるので、次の章にまとめます。

母はまず自治体の窓口で、申請に必要な資料をもらうところからスタート。そのあと耳鼻咽喉科を受診して検査を受け、申請書に医師の意見を記入してもらい、無事に助成が決定しました。そこから、実際に使う補聴器を選ぶために何件かお店を回り、購入前に1〜2週間ほど試せる期間を利用しながら、使いやすいものを選んだようです。最終的に選んだのは、デンマークのメーカー「ワイデックス(WIDEX)」の補聴器でした。

補聴器と集音器は何が違う?

電気屋さんや通販でも買える「集音器」と、耳鼻科を通して作る「補聴器」。似たようなものに見えますが、調べてみると、位置づけがはっきり違いました。

  • 補聴器:国の基準を満たした「管理医療機器」。耳鼻科での検査結果をもとに、聞こえの程度に合わせて専門家が細かく調整してくれます。自治体の助成金も、この補聴器が対象です。
  • 集音器:家電製品(オーディオ機器)という扱いで、医療機器としての審査は受けていません。周囲の音を一律に大きくする仕組みで、専門的な調整なしにすぐ使えるのが特徴です。

国民生活センターにも、集音器について「雑音で会話が聞き取りにくい」という相談が寄せられ、商品テストが行われた例があります。手軽に試せるのは集音器のメリットですが、聞こえにくさが続くようなら、まずは耳鼻科に相談して、自分の聴力に合った補聴器を検討するのがよさそうです。

どれくらい聞こえにくいと、補聴器を考えるタイミング?

「うちの親は、どのくらい聞こえにくくなったら補聴器を考えればいいんだろう」と気になったので、これも調べてみました。

難聴の程度は、聴力検査の結果(平均聴力レベル)をもとに、だいたい次のように分けられています(日本聴覚医学会の区分、資料によって多少幅があります)。

  • 軽度難聴:25dB以上40dB未満(小さい声や騒がしい場所での会話が聞き取りにくい)
  • 中等度難聴:40dB以上70dB未満(普通の大きさの声の会話が聞き取りにくい)
  • 高度難聴:70dB以上90dB未満(かなり大きい声でないと聞き取れない)
  • 重度難聴:90dB以上(ほとんど聞こえない)

自治体の高齢者向け補聴器助成は、この中等度難聴あたりを対象の目安にしているところが多いようです(「両耳とも40dB以上70dB未満」のように基準を定めている例がありました)。数値だけだとピンとこないかもしれませんが、目安としては「普通の声の大きさの会話が、聞き取りにくくなってきた」くらいが一つのラインのようです。

数値での判断はどうしても耳鼻科での検査が必要になりますが、受診を考えるきっかけになりそうな、日常のサインも調べてみました。1つでも当てはまったら、一度耳鼻咽喉科(できれば「補聴器相談医」のいる医療機関)で相談してみるとよさそうです。

  • テレビやラジオの音量が、家族から見て大きすぎると感じる
  • 「えっ、今なんて言った?」と聞き返すことが増えた
  • 会話の中で、相づちがなんとなく曖昧になる
  • 後ろから呼びかけられても気づかない

うちの母の場合も、まさに「テレビの音量」が最初のサインでした。聞こえにくさは年齢のせいだと思い込みがちですが、中耳炎や耳あかが原因で、治療すれば改善することもあるそうです。自己判断で集音器を試す前に、一度耳鼻科を受診しておくと安心だと思います。

申請から受け取りまでの流れ(5ステップ)

いくつかの自治体の案内を見比べてみたところ、名称や細かい条件は違っても、大まかな流れはどこもほぼ同じでした。

  1. 申請書を入手する 自治体の窓口(高齢者福祉の担当課や、地域包括支援センターなど)でもらいます。対象になる条件(年齢・所得など)は自治体ごとに違うので、先に窓口やホームページで確認しておくと安心です。
  2. 耳鼻咽喉科を受診する 申請書と保険証を持って受診し、補聴器が必要と認められたら、申請書の「医師の意見欄」に記入してもらいます。あわせて、聴力検査の結果(オージオグラム)を添付してもらいます。多くの自治体で「検査日から3か月以内」などの期限があります。
  3. 申請書を提出する 窓口に提出すると、自治体が審査します。1〜2週間ほどで、助成が決まったことを知らせる通知書が自宅に届きます。
  4. 補聴器を購入し、聞こえの調整をする 通知書が届いてから、補聴器販売店で購入します。購入後は、自分の耳に合うように数週間かけて調整してもらいます。
  5. 助成金を請求する 請求に必要な書類(請求書・領収書など)を窓口に提出すると、審査のあと、指定した口座に助成金が振り込まれます。

ここでいちばん大事なのは、**「通知書が届く前に補聴器を買ってはいけない」**という点です。多くの自治体で、助成が決定する前に購入したものは対象外とされています。母も、順番を守って進めたからこそ助成を受けられたのだと思います。

自治体によって助成額がこんなに違う

調べていちばん驚いたのは、助成してもらえる金額が自治体によってかなり違うことでした。いくつか例を挙げます(いずれも上限額の例で、変更される可能性があります)。

  • 上限が2万円台の自治体
  • 上限が5万円前後の自治体
  • 住民税非課税の世帯には7万円前後、課税世帯にも3万円台を出す自治体
  • 条件によっては10万円を超える自治体

同じ「高齢者向け補聴器助成」という名前の制度でも、金額に数万円から十万円以上の差があります。また、金額だけでなく、

  • 対象年齢(60歳以上/65歳以上など)
  • 所得の条件(住民税非課税世帯のみ対象か、課税世帯も対象か)
  • 聴力の基準
  • 申請から購入までの期限(3か月〜1年など)

といった条件も、自治体ごとにばらばらでした。「お隣の市のほうが金額が高かった」ということも普通にあり得るので、思い込みで判断せず、自分の住んでいる自治体の最新の情報を確認するのがいちばん確実だと感じました。

補聴器の値段はどれくらい?助成でどれくらい楽になる?

補聴器は決して安い買い物ではありません。業界団体の調査(2018年・やや古いデータですが)では、片耳の平均購入価格はおよそ15万円前後とされています。機能が多いものだと片耳20万円を超えることもあり、両耳そろえるとその倍近い出費になることもあります。

自治体の助成額は、先ほどの通り2万円台〜10万円超までさまざまです。仮に片耳15万円の補聴器を、助成上限5万円の自治体で購入したとすると、自己負担は10万円。上限2万円台の自治体なら自己負担は12万円台、上限が10万円を超える自治体なら自己負担は5万円前後まで下がる、という計算になります。助成の金額によって、自己負担の重さはかなり変わってくる印象です。

なお、身体障害者手帳の対象になるような高度・重度の難聴の場合は、障害者総合支援法に基づく別の支給制度(原則1割負担)があり、自治体の高齢者向け助成とは仕組みが異なります。当てはまりそうな方は、あわせて窓口で確認してみてください。

申請で気をつけたいポイント

調べた範囲で、共通して注意したほうがよさそうな点をまとめます。

  • 購入前に申請・決定を済ませる 先に買ってしまうと助成の対象外になる自治体がほとんどです。
  • 聴力検査の有効期限に注意 オージオグラム(聴力検査結果)は「検査日から3か月以内」など期限が決まっていることが多いです。受診のタイミングによっては検査をやり直すことになる場合もあります。
  • 所得の条件を確認する 住民税が課税か非課税かで、対象になるかどうか・金額が変わる自治体があります。
  • 請求の期限を忘れない 購入・調整が終わったあとの請求にも期限(交付決定から半年〜1年など)があります。調整に数週間かかることも踏まえて、スケジュールを把握しておくと安心です。
  • 本体以外は対象外のことが多い 補聴器本体の購入費のみが対象で、電池や消耗品、修理費は対象外としている自治体が多いようです。

まとめ:まずはお住まいの自治体に確認を

母の話をきっかけに調べてみて、「高齢者向け補聴器の助成金」は多くの自治体にある制度だけれど、金額も条件も申請のタイミングもかなり違う、ということがよく分かりました。

ご家族に聞こえにくさを感じている方がいたら、まずはお住まいの市区町村の高齢者福祉の窓口か、ホームページで最新の案内を確認してみることをおすすめします。思っていたより手厚い助成が受けられるかもしれません。

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